interview

一問一答

原点

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Q1

なぜ教育の道に進まれたのですか?

もともとは、大学時代の塾講師のアルバイトがきっかけですね。そこで、子どもの将来より売上を優先するような場面を何度も目にして、『これは誰のための教育なんだろう』という想いを持っていました。
とは言っても、学習塾への就職は考えられず、京大の工学部から建設業界に新卒で入社しました。ただ、そこで働きながらも教育への想いは消えず、『やはり教育は社会の大切なインフラである』という想いから、方向を変えて教育業界に転職しました。
京大工学部から教育者というのは珍しいとよく言われるんですが、自分の中ではあの学生時代の想いを胸に行動しているという感じですね。

Q2

これまでで一番印象に残っている生徒とのエピソードは?

一人に絞るのは難しいんですが、あえて挙げるなら、高3の夏まで『目標が決まらなかった』生徒でしょうか。
成績は悪くなかったのですが、志望校を聞いてもなかなか明確が答えが返ってこないままま受験が始まっていきました。話を聞く中では「医学部を目指したい」という気持ちを感じ取ることはできたのですが、本人自身がそれを言葉にするだけの自信を持ち合わせていなかったのでしょう。ただ、『人の役に立ちたい』という想いは強く、一緒に受験勉強をしていく中で自信を持てるようになったのか、高3の夏頃に「医学部を目指します」ということを明確に言って、ようやく目指すようになりました。
決断が遅かったせいもあり、現役では合格することは叶いませんでした。けれども、気持ちがブレることなく医学部を目指して1年間浪人して、きちんと国公立大学医学部医学科に合格していきました。
受験というと、「とにかく勉強させなくては」という考えで机に向かわせるような指導が多いと思いますが、きちんとした想いを持つことなく難関校に受かることは本当にできないなと思っています。想いの強い子が最終的には合格する、それが受験だと考えています。

Q3

これまで、どれくらいの生徒さんを見てこられたんですか?

正直、人数をカウントしているわけではありませんが、25年以上指導してきた中で1,000人は超えていると思います。主に個別指導で見てきていることを考えるとかなりの人数かなとは思いますね。
特に大切にしている保護者の方との面談も、時間にすると計3,000時間は超えるのではないでしょうか。毎学期の終わりに塾生の面談だけでも50時間くらいしていますね。数字だけ聞くと大げさに聞こえるかもしれませんが、一人ひとりの顔も今でもほとんど覚えていますし、自分の中では『延べ人数』というより『積み重ねた時間』という感覚の方が近いでしょうか。

哲学

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Q1

「答えより過程を大事にする」という考え方は、どこから来たのですか?

答えを教えること自体は、実はそんなに難しくないんです。でも、それだと『分かった』で終わってしまって、『なるほど』につながらないんですね。
私が本当に大切にしているのは、知識を増やすことではなくて、『なるほど!』という気持ちから『もっと知りたい』と思ってもらうことなのです。
だから、あえて遠回りでも、自分で『あ、そういうことか』とたどり着くまでの過程を大事にしています。あの『なるほど!』の瞬間の喜びを知っている子は、放っておいても勝手に学び続けますから。
結局、私が伝えたいのは知識そのものより、知れた喜びなんです。

Q2

塾を大きくしよう、教室を増やそうとは考えないんですか?

よく聞かれるんですが、実はあまり興味がないんです(笑)。規模を追い求めると、どうしても『一人ひとりの顔が見えるかどうか』が犠牲になりやすいので。個別指導にこだわっているのも、突き詰めるとそこですね。経営としては非効率だと言われることもありますが、自分が納得できる範囲でしかやりたくないというのが、正直なところです。
正直にいうと、困っている子どもたちとその保護者の方々、すべてを見たいとは思ってはいるのですが。なかなか容易なことではないですよね。

Q3

ご自身も子育てをされている中で、教育者として活きていることは?

個別指導塾のいいところは、講師を自由に変えられることなんです。厳しく言われた方が伸びる子もいれば、丁寧に寄り添われた方が伸びる子もいて、それは本当に一人ひとり違う。だから、その子に合った伸び方を見つけたら、それを磨いていくというのが仕事の基本なんですね。
これ、実は夫婦の間でも同じことができるなと思っていて。うちは高校生と小学生の子どもがいるんですが、私が厳しめに言うと伸びる場面と、妻が寄り添うことで伸びる場面、それぞれ違うんです。どちらが正しいという話ではなくて、『これはうまくいったね』というのをお互いに共有して、役割を分けるようにしています。
正直、これは子どものためだけじゃなくて、夫婦の会話も増えるんですよ。『今日はこう言ったらうまくいった』みたいな話をするようになるので。個別指導の考え方が、家庭の中でも活きているなと感じる部分ですね。

素顔

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Q1

お休みの日は何をされていますか?

これはもう本当に平凡で、家族と過ごすことがほとんどですね。あとは本を読むことが多くて、気づいたら2,000冊くらい読んでいました。
​​​​​​​味というより、単純に知りたがりなだけなんですけどね。

Q2

ご自身の学生時代はどんなお子さんでしたか?

「今の仕事からは想像しにくいかもしれませんが、決して優等生ではなかったです。特に国語が苦手で、大学に入ってから読書で克服したくらいなので。
​​​​​​​今、生徒に『できないところがあって当然』と言えるのは、自分自身がそうだったからだと思います。

Q3

仕事で落ち込むことはありますか?そういうとき、どう乗り越えていますか?

もちろんあります。
​​​​​​​特に印象に残っているのは、良かれと思って厳しく伝えたことが、保護者の方に『傷つけられた』と受け取られてしまったときですね。あのときはさすがに数日引きずりました。
ただ、そういうときこそ無理に立て直そうとせず、一度距離を置いて、また戻ってくるようにしています。

これから

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Q1

今後、どんな存在でありたいですか?

究極を言うと、私のような存在が必要なくなる社会が理想だと思っています。親御さんが子育てに不安を感じなくなって、子どもたちが自分から学びたいと思えるようになれば、それが一番いいことなので​​​​​​​。

Q2

ご自身個人としては、これから挑戦したいことはありますか?

社会全体の理想とは別に、個人としては、まだ自分自身が『なるほど』を体験し続けたいという欲が強いんです。生徒に教えてばかりで、自分が学ぶ時間が減ってしまうのはもったいないので。今も新しい分野の本を読んだり、知らないことに首を突っ込んだりするのはやめないと思います。

Q3

最後に、この記事を読んでいる方に一言お願いします。

肩肘張らずに読んでいただけたら嬉しいです。偉そうなことを言っていますが、自分の子育てでも日々悩んでいますし、完璧な答えを持っているわけではないので。同じ立場で一緒に考えていけたらと思っています。